01:筆記具にお金を掛けるという事
(L A M Y : D i a l o g 1)

ロゴ以外は特に飾り気の無い外観。
クリップ部分がノックになってます。
 実際の所、書ければそれでいいわけです。
 ペン、というか総じて筆記具の事です。
 その目的は主に文字を書くことでしょう。また時には絵を描く時に使う事もあるかもしれません。
 どっちにしろ書けさえすれば、その存在目的はほぼ達せられるわけです。ペンを動かす毎に、ちゃんと規定量のインクがペン先から出さえすれば。
 また少し贅沢を言えば書き心地や使い勝手が良いなら申し分ないわけで。
 
 と考えてみれば、筆記具にお金を使うのはかなり勿体ないことではないかとも思うんですよ。
 100円のボールペンと1,000円のボールペンにそれほどの差があるだろうか?
 ペンを滑らせてみて、描かれる線にそれほどの違いがあるだろうか?

 そんな事無い、高いペンはそれだけ良いものだよ。
 そういう人もいるでしょう。安物よりもそれなりに値段のする方が書きやすい、使いやすいと。
 でもそれって主に”字を書くことを生業としている人”か、それに準ずる人じゃないでしょうか?
 要するにペンでモノを書くのが生活の一部になっている人。
 そこまでの人なら多分良いモノとそうでないものの見分けが付くんでしょう。でも総務課に籍を置くサラリーマンの使用範囲では、100円のボールペンと1,000円のボールペンとの間に、さほどの違いがあるとは思えません。
 
 今回ここに載っけているのはボールペンです。
 ラミーの「ダイアログ1」。三角の断面が特徴です。
 ラミーが世界のデザイナーとコラボレートするダイアログシリーズの第一弾。
 デザイナーはリチャード・サッパ氏で、IBMのThinkPadなどをデザインした方だそうです。
 これから2年に一回のペースでリリースして行くそうですよ。

 で、上の話に繋がるんですけど、高いんですよ、コレ。
 いえ、そりゃボールペンにだって上を見れば200万円ぐらいするものもあります。
 でもそれって本体がホワイトゴールドで出来てたり、宝石が使ってあったりと、要するに宝飾品としての価値が高いのが殆どなんです。
 あとはやれチタンのムクだの、世界限定2500本だの、ブルガリだのカルティエだのという名前が並ぶわけですよ。
 でもこれは違います。見ての通り如何にもインダストリアルデザイナーの手によるものと言う感じの飾り気の無いデザインです。
 でもね、定価で25,000円もするんですよ、コレ。
 どうです? 見えます? 25,000円に。
 知り合いに見せたらほぼ間違いなく「高い!」と言います。
 私もそう思いますよ。
 実際使ってみますと、確かに握りやすいですしチタンの手触りは良いんですが、値段分の価値があるか否かは分かりません。


ペン先を出したところ。
ノックは軽い感じです。
因みに断面はこんな感じ。
エッジの丸い三角形になってます。
 じゃ、何で買ったんだよ?とそう思われるでしょう。
 理由はただ一つ、”格好良かったから”です。
 格好良かったんですよ、チタンの質感とか角度が付いた断面とか三角の形状とかが。
 で、ついつい買っちゃったんですよ。
 でもそれは筆記具としての性能を重んじているわけではないんですよね。見た目のインパクト、それだけなわけなんですよ。
 私がステイショナリーを買う、まず第一の理由がこれだったりします。というかこれだけなんです。
 ”格好いい”ただそれだけ。
 何が言いたいのかというと、要するに筆記具にお金を掛けるというのは、私にとっては”良い道具”を探す行為ではなく”格好いいものが欲しい”という意識から発露しているわけです。玩具と同じですね。
 まあ家族や知人から白い目で見られないだけ玩具よりマシかもしれませんが。
 どの趣味も基本的にはそうなんでしょうけど、字を書かない私が筆記具にお金を掛けるというのは相当に贅沢且つ自己満足度が強い、という事なんでしょう。
 道具が良いからって(高いからって)字が上手くなるわけじゃないし。

 あ、でもしまい込んであるってわけではありませんよ。ちゃんと使ってます。時々ですけど。
 いや、やっぱ高いモンだという意識が働いちゃうんですよねぇ・・・・・。


同デザイナーによる専用木製ケースが付属
マグネットの二点留めです。
これが結構良い感じなんですよ。
 ダイアログはノック式のボールペンで本体はブラスのチタンコートです。
 三角形の断面は筆記時にリラックス効果があるという人間工学上のデータに基づいて採用されたそうです。
 実際握った感じは結構良いです。
 上にも書いてありますがノックは非常に軽いですね。
 本体両端に角度が付いてますが、持ち方によっては筆記時にペン先が見えにくくなります。書いてる時にペン先が見えないとどうも気持ちが悪いという人には使い辛いかもしれません。

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