婦人服”第六次元突破作戦”

若者に人気の最新ファッションからミドルエイジ向けのエレガントなものまで幅広い品揃え。

外観

 建物は半径12m、高さ17mの完全な円筒形で、その屋上には巨大なパラボラアンテナが常時回転しています。
 このパラボラアンテナは毎日一回”ピコーン、ピコーン”という一昔前のSFに出てくるレーダーのような音を発します。初めて聞く人は良く時報と勘違いしますが、実際には音の鳴る時間は毎日区々で、何の目的で発せられているのかは分かっていません。

 また建物の外壁には一面に”コスモリスカヤ・プラウダ”がビッシリと貼り付けられており、外から店内の様子を伺う事は出来ません。

 入り口は扉も無く、黒字で”虹色”と殴り書きされたムシロが垂れ下がっているだけです。
 但しその位置は毎日変わるので注意が必要です。

店内の様子

 店内は薄暗く、照明も殆ど無いので足元に注意しましょう。

 目を凝らしてよく見れば壁や天井など一面に”ターヘル・アナトミア”がえがかれているのが分かります。

 また至る所に無造作にハンガースタンドがあり、沢山の針金ハンガーが掛かっていますが、そこからぶら下っているのは全て有刺鉄線でグルグル巻きにされ、カラカラに干乾びた山芋です。
 因みにこの山芋は商品ではなく店のデコレーションなので勝手に触ると店長さんに怒られます。気をつけましょう。

 壁際には二ヶ所に試着室がありますが、いずれもその中に”巨大な縞模様の不気味な光沢を帯びた石塔”が立っているので使う事が出来ません。
 そしてこれも気をつけなければいけないのですが、床の中央部に直径2m位の水溜りがあり、そこで時折不気味な畸形の魚を見かける事が有ります。うっかり水溜りに足を浸けてしまうとこの魚に噛み付かれてしまいます。

 店員は店長さん一人です。カウンターの向こうで何時もびしょびしょの黒いレインコートを着て、フードを深く被り、両手にピッケルを持って立っている虚ろな表情の女性がそうで、根は良い人なのですが、少々無愛想なのが玉に瑕です。

 ここの商品はカウンター奥の冷蔵庫に入っている”ネバネバする紫色の液体が詰まった小瓶”で、一瓶35メセタ(税抜き)です。
 これが一体何で、何の為に使うものかはさっぱり分かりませんが、何時も冷え冷えの状態を保たれており、売れ行きも好調のようです。

 因みに定休日は金曜から水曜までと木曜の午後です。


 

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