1:DX爆竜合体 アバレンオー

玩具王:さて、アバレ関連商品のトップバッターは当然といえば当然だけどがアバレンオーだね。
コーエン:俗に言う”1号ロボ”、ですな。
玩具王:その通り。ティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドンの三体の爆竜が合体、アバレンオーとなる。
スティンガー:合体アクションそのものに、劇中との著しい相違点はありませんな。
玩具王:まあ最近はちゃんと玩具の事考えてデザインされてるから。では早速個々の爆竜から見ていこうか。


玩具王:まずは爆竜ティラノサウルス。
     モチーフになったのは勿論ティラノサウルス。白亜紀
     後期に棲息した大型の肉食恐竜、という解説がなん
     か必要ないくらい有名な恐竜だな。
スティンガー:で、デカ!
コーエン:合体後の殆どの部分を占めているからねぇ。

玩具王:まあ今後も含めて合体の中核を成す部分だからね。
コーエン:今後、とは?
玩具王:その事に関しては後述する。
     因みに見ての通り、このティラノサウルスは膝が曲
     がる。
スティンガー:ほぉ。と、言う事はロボット時にも膝が曲がる
        と、そういう事ですな。

玩具王:従来の戦隊ロボよりもポーズの自由度が高い、と
     いうのも一応ウリの一つだからな。

玩具王:横から見れば、こんな感じ。
スティンガー:今回のモチーフは恐竜と言う事なんだ
        けど、恐竜にも一寸詳しい王様の目か
        ら見て爆竜はどうですかな? 
        バランスとかスタイルとか。

玩具王:フン、まあまあだな。
コーエン:これはまた、随分と手厳しい。
玩具王:頑張っているとは思うが、やはり脚が大きす
     ぎる。お陰で体が随分とちぐはぐに見えてし
     まうんだよ。腰の付き位置もおかしいしの。
     後は頭部から背部にかけてのラインが単純
     すぎ首、頭の部分にもう少し起伏が欲しい。
スティンガー:そりゃ幾らなんでも求め過ぎじゃない
        のかな。

玩具王:まあ合体の都合を考えれば仕方が無いね。
     だが両足を鳥足(逆関節)にしても自立出来
     るようにはして欲しかった。

玩具王:で、手、脚の他にお馴染みの可動部分として顎がある。可動範囲はそれ程小さくはないが、大きくも無い、という感じだ。
コーエン:こういうのは雰囲気ですからな。概ね宜しいのでは?
スティンガー:アレ? 口の中に、何か見えるよコーエンくん。
コーエン:ン? 確かに。何か丸いものが見えるな・・・・・。
玩具王:ああ、それね。まあ正面から見た方が分かり易いだろう。

玩具王:とは言うものの、この写真はチト見難いね。

コーエン:いや、何となくわかるんだが。これは・・・・・


スティンガー:頭?


玩具王:そうなんだ。パーツ構成の都合上、顎を開くと格納
     状態の頭が見えてしまうんだよねぇ。

コーエン:ふうむ。まあ止むを得ない所なのでは?

玩具王:まあそう言えばそれまでなんだけど、こうあからさ
     まに見えてしまっては盛り下がる事甚だしい。
     何かこう一工夫欲しかったところだね。

スティンガー可動部分や範囲は中々なんだけどねぇ。


玩具王:腕の可動はたかが知れてるがな。

コーエン:腕自体がたかが知れてるではないか。

玩具王:次は合体時に右腕を構成する爆竜トリケラトプス。
     これも白亜紀後期の、北米大陸に棲息した草食恐竜、
     角竜の代表格で、またまた説明不要な程有名な恐竜
     だね。
スティンガー:ハリケンで言うところのドルフィンですな。
玩具王:(ミもフタも無い事をいうなあ。)
コーエン:ほう。これは中々のスタイリングではないか。
玩具王:そうだね。頭のフリルが若干小さめに思うが、それ以
     外は良く特徴を捉えていると思うよ。後脚高く見えるし。
     横から見れば一層良く分かるぞ。


玩具王:そのサイドビューがこれ。
スティンガー:ブルーが言ってたけど、本当にサイみたいだ。
玩具王:さっきも言ったけどちゃんと腰高になっておるし、尻
     尾の付き位置も良い感じだ。
コーエン:足を旨く本体モールドと纏めているな。
玩具王:そうそう。実は別パーツである部分は割りに小さい
     んだけど、然程気にはならない。
     しかしこの再現度の高さには理由があるんだよ。後
     で触れるけどね。

玩具王:で、まあ当然の如くコイツも顎が可動する。といっても御覧の通り申し訳程度だけどね。
コーエン:何が申し訳ってまず大きさだな。元々がそうだから仕方ないだろうが。
スティンガー:でも顎も動かなかったドルフィンに比べてたらまだマシなんじゃないのかな、コーエンくん。
コーエン:ウン、そうだね。スティンガーくん。でも顎が動くってのはそんなに嬉しいものだろうか?
玩具王:まあ微妙なところかもしれないけど、どうせなら動いた方が良いに決まってる。子供が”ゴッコ遊び”をする時もな。
スティンガー:ごっこ遊びをしているのは王様じゃないのかな?
玩具王:(ギクッ!)な、何をたわけた事を・・・・・。
コーエン:おや? どうやら図星だったようだね。
玩具王:ばばばばばばばば、バカな事をお言いで無いよ!
コーエン:キッキッキッキッキ。
スティンガー:チッチッチッチッチ。

玩具王:最後が一番の小兵、爆竜プテラノドン。もっともコイツ
     は恐竜じゃなくて翼竜なんだけど。面倒臭いから詳し
     い話は省略ね。まあみんな知ってると思うけど。コレも
     例に漏れず超有名だし。

スティンガー:腰巻とヘルメットだね。

玩具王:・・・・・。

コーエン:で、スタイルはどうなのかね?

玩具王:いやあ、これはもうスタイルを云々する代物じゃない。

玩具王:上が正面から見た図で、左が横から見た図ね。
スティンガー:う、薄っ!
コーエン:う〜ん、流石にこれでは手の入れようがないか。

玩具王:まあ合体時にコイツが占めるパーツとしての割合は極
     少だからねぇ。まあそれにしては頑張っておる。
     胴体が脹れ過ぎだけど。
コーエン:では王様、爆竜も揃った所で早速。
スティンガー:そうだね!
玩具王:うむ、では
爆竜合体!!


玩具王:完成!!アバレンオー!!
スティンガー:おおっ!!
コーエン:ふむ、意外にバランスが取れている。プテラノドンは本体の大きさの割り
      にはパーツとして目立っているではないか。

玩具王:まあ実際に占めている割合は上にも書いた通り極小なんだが、表面に集
     中しているから目立つんだね。
スティンガー:ティラノの変形がやや複雑ですねぇ。
玩具王:逆に言うとティラノ以外の変形は極めて単純。特にトリケラトプス。
     両の脚を畳む、ただそれだけで後はそのまんま。スタイルが良いのは要す
     るに変形する部分が無いからなんだ。あの再現度も当然だな。
コーエン:可動部分も無いではないか。
スティンガー:肩の軸で腕として動くだけですな。
玩具王:コイツは電動アクションとは無縁なんだから、胴体、つまり肘のあたりで曲
     がるようにしても良かったと思うんだけどね。何の表情も付けられない。
スティンガー:左腕の方は比較的稼動しますね。
玩具王:肩の所でスイングする事が出来る。変形に必要な可動だからね。
コーエン:後は、脚か。
玩具王:うむ。


玩具王:太腿の付け根に軸が入っているから脚がこういう風に可動
     する。つまり足先を開いた”ハの字立ち”が出来るわけだ。

スティンガー:上の写真でもやってますな。
玩具王:これは結構見てくれに影響する可動だね。同じ素立ちでも
     足先に表情がついていると結構違うもんだから。

コーエン:ん? しかしティラノの可動部位を考えれば脚も腰と膝、
      それに足首の所で曲がるのではないかな?

玩具王:いや、そうもいかないんだ。腰のところは脚の付け根のパ
     ーツ形状から、上半身のパーツに干渉してしまうんだ。
     だから多少無茶でもしないとその部分を良い具合に可動さ
     せる事は出来ない。
     また変形の結果、足首の可動も制限されてしまっている。
     従って膝を曲げても、その他の部位が動かないに等しい
     ため、接地面積を確保する事が出来ないんだよ。

スティンガー:つまり立たせられないって事ですな。
玩具王:そう。膝関節は割りにフリーに動くんだけど、これでは如
     何ともし難いよ。

コーエン:ふうむ、惜しいですな。
玩具王:まあ今までの戦隊ロボってのは、腕の可動こそあったけど
     脚は殆ど無表情だったからねぇ。まだ良くなっている、とも
     言えるには言えるんだけどな。


玩具王:これが電動アクションのキモ、肩のジョイント部da.ガオジョイントの顰に倣ってアバレジョイント、とでも呼ぶべきか。
コーエン:ほうほう、このジョイントの中の白い部分が回転するわけですな。
玩具王:その通り。そして電動アクションを行う各パーツのジョイント部にはこれの”雄”にあたるパーツがあるわけ。
スティンガー:左右両方についてますな。
玩具王:うむ。つまり左右どちらにも動力は伝わるんだ。つまりこの先右手に接続する電動アクションも出るわけじゃな。現に次
     にラインナップされておるバキケロナグルスは右腕になる。
コーエン:因みにジョイントのサイズは? 旧シリーズとの互換性はどうなっているのかな?
玩具王:旧2作のものよりもジョイントは大きくなっている。やはり回転基部を仕込む関係だと思うけど。従って旧作との複合合
     体は不可能になってる。

玩具王:そしてこれが基礎となる電動アクション
     ”爆竜電撃ドリルスピン”だ!!
スティンガー:おお!回ってる回ってる!!
コーエン:だが、意外にゆっくりだな・・・・・。

玩具王:まあ玩具だしね。あんまり激しく回転したら危ないだろ?
スティンガー:えっと・・・・・、これで終わりなんですか?
玩具王:贅沢言っちゃいけないよ。一応コイツは基本部分なわ
     けだし。それにこういう玩具に電動ギミックを仕込むのは
     結構大変なんじゃよ。
コーエン:まあ、何にせよ・・・・・・
スティンガー:回って嬉しい、という所ですかな。

玩具王:ま、そういう事だね。


玩具王:トリケラの頭の下には拳が付いている。胴体に折りたたみで格納されており、頭を外す事で展開が可能になる。
コーエン:おお、ダブルテイルソード&トリケラシールドも無事再現可能というわけですな。
スティンガー:これはこれで中々良いですな。

玩具王:手持ち武器と言うのはデザイン上のアクセントにもなるし、広がりも出るから飾っておくにはうってつけだね。
     でも、問題があるんだよなぁ・・・・・。
コーエン:問題?
玩具王:このアバレンオーには致命的な欠陥があるんだよ・・・・・。
コーエン:致命的な欠陥。して、それは?


玩具王:これだああぁーっ!!
スティンガー:何と?!
コーエン:シールドが下を向いているではないか?!

玩具王:電動アクションの関係で左腕はフリーで軸回転する
     ようになってる。要するに腕がグラグラなんだよ。
     ”丁度良いところで固定”という事が出来ないんだな。
コーエン:つまり放っておいたら下を向いてしまう、と。
玩具王:トリケラシールドも微妙にトップヘビーだから、持たせ
     た後、一寸でも動かすとこのザマだ。この辺りももう
     ちっと工夫して何とかして欲しかった所ではあるねぇ。
スティンガー:これじゃ遊べませんもんねぇ・・・・・。

玩具王:因みにカブトを外すとこんな感じね。

スティンガー:合体時に映りますな。この”素顔”

玩具王:ちゃんと塗りわけなんかもしてあるし、これはこれで見
     られるモンにはなってる。
     さて、それでは最後に、電動アクションを生かした裏技
     を見てもらう事にしよう。

コーエン:裏技?

玩具王:ブロウクン・マグナム!!

コーエン:・・・・・。


スティンガー:・・・・・。


玩具王:ま、まあこういう遊びも出来るという事だよ。

コーエン:キッキッキッキッキ。

スティンガー:チッチッチッチッチ。


玩具王:とまあ、こんな所かな。
スティンガー:まずは基本となる1号ロボ、その本体だけですしね。
コーエン:左様、今の段階からプレイバリューに何らかの判断を下すのは難しいだろう。

玩具王:個人的な所見としては、思ったよりも遊べないという感じかな。やっぱ合体数が少ないと詰まらんね。
スティンガー:変形がイマイチ単調なのもマイナス要因ですな。
玩具王:ただ電動アクションという試みは面白いと思うし、少なくともカラクリボールよりは見栄えもするだろう。
     今後のシリーズ展開に期待、したいね。

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